FC2ブログ

春のヘッドフォン祭2012 試聴レポート ヘッドホンアンプ編

う~音を覚えてるうちに記事にしなくちゃ。。。
最後はヘッドホンアンプの試聴の話です。
カニの最も興味のある分野なんで、書くのに力がはいっちゃいます。



まず始めに断っておきますが、
カニは、DACチップのPCM179x系の音で、ひとつ気になる点があるんです。
このチップは確かにHiFi調で、一聴すると「おっ」と好印象に思うんですが、高域に塊感があり、
メリッといった感じに強調されていると思っています。
で、オペアンプとの相性が大変宜しくない、とも思っています。
179xの高域の塊感と同様に、オペアンプにも特有の塊感があり、それらが合わさると、余計に高域がメリメリ。。。

そして用意した比較用の自作DACも、DACチップはPCM1794。アナログ段は、抵抗I/Vとはいえそれ以外はオペアンプです。
すごく、メリメリしてます。
はたしてこいつが格好の「メリメリ判別器」になってしまいました。
例えば、今回試聴させていただいた機器のうちいくつかは、すごく「メリメリ」したんです。
あれ~と思って、メーカーさんに話を聞いたら、
大半のメーカーさんがPCM179x系かオペアンプのどちらかを使っている、とのお話。

結局、話を聞いたメーカーさんの半数以上がPCM179x系でした。
このDACは使いやすくて結構音も良い。自作系の人も永らく愛用していますからねえ。
市場でも、やはり人気があるんですね。

ただ、PCM179x系を使っていても、あまりメリメリを感じさせないメーカーさんもいらっしゃいました。
そしてそれらは例外なく、ディスクリートでアナログを組んでいる、とのこと。

今回の試聴レポート、どうやらキーワードは「メリメリ」ということになりそうです。
面白そうだから、0メリ~3メリの評点で、レポートしてみましょうか。

あともう一つ、これはカニの耳が悪いせいなんですが、
音場表現の差やSNの差が機種ごとにあるはずなんですが、カニはよく分かりませんでした。
もしかしたら、静かな環境でリラックスして試聴させてもらえば分かるかもしれないんですが、
とりあえず今回の感想にはこれらの要素がありません。
ヘッドホンにとって大事な要素のはずなんですが。。。すみません。


さて、前置きはこのぐらいにして、、、
本題の試聴レポートです!

まずはFOSTEXのHP-P1
HPFES020.jpg
ipodとデジタル接続が可能なポータブルDACということで、個人的にとても興味がありました。
ipodとの接続は、自作界ではまだ敷居が高いですからね。
メリ度は3。これはまあポータブルならしょうがないです。サイズと電圧の制約から、アナログ段をディスクリートで組むことが困難ですから。
最初はカニのT51改とどっこいどっこいの音かな~と思いました。噂通り透明感のある硬質な感じで、だけどメリ感もあって分解しきれない。という感じ。
そしたらブースの方が「フィルターの切り替えができるんで試してみて下さい。」と勧めてきました。
HPFES019.jpg
分かりますか?FILTERというスイッチです。
どうもデジタルフィルタの特性を切り替えられるようです。
ああ、これは藤原さんのいくつかの基板でも採用されている仕掛けですね。
カニはまだ試したことがないので、ワクワクして切り替えてみると。。。
おお!一聴して分かるレベルで音が変わります。なんだかフィルター2のほうが、硬質さがほぐれて自然に聞こえました。
これならT51より良いかも。
ブースの方曰く「それはショートディレイタイプのフィルタ特性なんですよ」
ほほう。ショートディレイって言うんですか。このことはいつかの自作のために覚えておきましょう。ショートディレイは音が良い、と。。。
ホンネで言うと、デジタル段の信号処理なんかは自分で設計できませんから、ここで音は変わって欲しくないんですが、、、オーディオの楽しくもあり難しくもあるところですねえ。

続けて、同じくFOSTEXのHP-A8
HPFES021.jpg
詳細は知らないまま聴いたので、どうせメリメリするんだろう、と、ちょっと失礼な気持ちで聴いちゃいました。
そしたら、メリ度は1。
あれ?もしかしてディスクリート?と思ってブースの方に聞くと、
「電子ボリューム部で1個オペアンプを使っているのみで、あとはオールディスクリートです。DACはAKM4399です」
とのこと。なるほどね。
いやあ、ディスクリートの音が実売9万円くらいで買えるんですね。
機能もUSBやらDSD入力やらが付いているようで、多機能高音質で低価格は、大手にしかできない強みだなあ、と思いました。
で、音はHP-P1を進化させたような感じ。
透明で線が細いんですが、音の先端をわずかに溶かすことで、細さをうまくいなしているようです。
市場の評判では賛否両論あるようですが、少なくともMDR-EX800STで聴いた限りは特に気になる欠点はありませんでした。

FOSTEXさんのブースには設計に携わられた方がいらっしゃったようで、技術的な話にも答えてくださって大変好印象でした。
HP-P1の話を聞いたら「HP-P1でポータブル機の音作りの基礎ができた。次回作でうまく色付けをしていきたい」と仰っていました。
そうそう。ヘッドホンアンプは色付けアリで、ヘッドホン・イヤホンは原音志向。これが面白いと思います。
是非、色付けしてアンプを作って下さい!柔らかいけどリアルな方向で。
もしくは原音志向でも良いんです。抜群にリアルであれば。

お次はFIDELIXのCAPRICE+CERENATE
HPFES015.jpg
CAPRICEはカニも持ってますからねえ。よく知ってますよ。
このDACのヘッドホンアンプ部は、メリ度1.5ぐらい。オペアンプを使っている割には、かなり音が良い部類だと思います。
で、CERENATEはパワーアンプなんでヘッドホンアンプじゃないと思ってましたが、ちゃんとヘッドホン出力を持ってるんですね。音はCAPRICEからわずかに良くなる感じ。よりニュアンスが聞き取れました。

今回のFIDELIXさんは、面白いことをされていて
複数のCAPRICEで、DSDやら384kHzやらI2Sやら、ES9018を使ってしか再生できない音源をデモされていました。
そしてその音源の一部ではSDTRANS192を使われていて、おお、これが噂の、、と感動することしきり。
カニはDSDの音源を聴かせて頂きました。リュートの音だったかな?
前知識があるのでプラシーボかもしれませんが、すごく音が柔らかくて、空間を満たしている感じがしました。
DSD再生は徐々に盛り上がってきてますね。そのうちカニも手をつけたいなあ。
ひとつ残念だったんですが、全ての音源が違う音楽で再生されていたので、できれば、比較できるように同一のソースをファイル変換して頂きたかったですね。
あと、どうでも良いんですが、製品のデモではなくて音源のデモをされていたんですかね?
もっと商売ッ気を出して製品をアピールしても良いんじゃないかと、他人ごとながら心配してしまいました。。まあ製品はネットでの評判も良いし売れているようですから、余計なお世話かな?

このブースの方、他のお客さんから「社長!」と声をかけられていました。
え?じゃあ中川社長だったんでしょうか。。。FIDELIXのホームページの、切れ味の鋭いコラムの印象から、強面の方を想像していたんですが、とても愛想の良い優しい方でした。
中川社長のように技術を持っている方は、カニの憧れです。


では次
フェーズメーションのDAC+HPAです。
HPFES014.jpg
う、失礼ですが詳細を知らない製品です。でも音が良さそうなので聞いてみました。
メリ度は1。なかなかのものです。
原音志向に少しメリハリの色付けを持たせた感じがしました。
DACはPCM1794、オールディスクリートでアナログ段を組んでいるとのこと。
DACにビクターのK2のロゴがあります。どういうことだろう?
・・・と思って、製品の詳細を調べてみると、ビクターとライセンス契約を結んでK2テクノロジーを搭載しているんだそうですね。
あと、その他にもジッター低減のためにかなりこだわったデジタル回路になっているようです。
これは凄い。カニの好みである「繊細で柔らか」とは方向性が違うため、辛口の評価になってしまったのかも。。。

こちらのブースの方とは、
「ディスクリートは部品の入手がますます難しくなってくるからねえ。
チップTRならまだ延命できるけど、今から音が良いチップTRを探すのもねえ。。」
といった世間話をさせていただきました。
そうそう。この話はカニも全面的に同意です。。
ピュアオーディオ業界はこれからどうなっちゃうんでしょうか・・・


ああ長話ばかりで先に進まない。。。
次はオーディオデザインのDAC+HPAです。
HPFES012.jpg
そう、このメーカーさんは気になってたんですよ。少し前にWebで好印象なレビューを拝見したもので。
聴いてみると。。。
メリ度は0。素晴らしい。分解能も素晴らしい。
そして色彩感の強いブライトな音。
PCM1794もブライトですが、それとは違い、メリ感の無い繊細なブライトさです。
カニのストライクゾーンからは少し外れますが、ヘッドホンアンプとして明確な方向性と基本性能を備えた、完成された製品だと思いました。
中身の話を聞くと、「DACはPCM1704、アナログはオールディスクリート」とのこと。
なるほどね。それでメリ感が無いんですね。
でも、今時PCM1704を採用しているって珍しいです。
そろそろPCM1704も廃盤になるのでは、、、と伺うと、ある程度の数を既に確保されているそうです。
でもDF1706はもう無くなるんじゃ、、、とオタク話を続けると、この製品ではデジタルフィルターを使ってないとのこと。
へえ。そんな構成も作れるんだ~。
後で調べてみましょう。

さて次は
バクーンプロダクツの新型DAC+HPA
HPFES016.jpg
HPA(パワーアンプ)はカニも使ってますからね。
今回はDACの詳細が知りたくて、伺いました。
試聴屋の山崎さんやケンメモさんとお会いできました。いろいろお世話になってます。
もう一方は永井さんでしょうかね?
で、とりあえず音を聞かせてもらうと、、、う、メリメリする。。。?
って、比較機であるm903の音だったみたい。知ってる方の前で失礼な感想言えないし。。。と思って、本日一番アセりました。。
で、あらためて新型DACで試聴すると。。。優しい自然な音が出てきました。
メリ度は0ですね。そしてやっぱりカニの好みとバクーンの音は近いみたい。
繊細だけど柔らかい。
ヘッドホンアンプであるSCA-7511の音が繊細ですからね。その音が支配的で、DAC側は色付けが少ないピュアな音なのかなと思いました。
でも、DACチップはPCM1794だそうです。へえ。このチップをこんな音に変えられるんですね。
カニ家はもうDACがいっぱいなのでさすがに買えませんが、製品版の音を聴いてみたいと思いました。
このDAC、数日前に完成したそうです。苦労話があるんでしょうね。
カニも仕事は設計業なので、いろいろ想像してしまいます。

調子に乗って、パワーアンプ兼用ではなくヘッドホンアンプ専用のSATRIアンプを作って頂きたいです~とお願いしてきました。
その昔はヘッドホンアンプ専用機があって、評判も良かったようですし。
SATRI-ICは、SNの観点からもヘッドホンアンプに向いてそうですし。

さて、次はMJのブースです。
あれ?MJって雑誌の会社のはずだけど。。。?
HPFES017.jpg
雑誌で紹介されている、金田式の電流伝送DACの展示をされていたようです。
へえ。なんだかミーハーな気分で聴いてしまいました。
メリ度は1かな?PCM1794が使われています。でもなんだか、残っている塊感も悪い印象はなくて、、、
こう、透明な玉のような高域が出ていて、面白かったです。
しかし綺麗に基板が組めるものです。一度、制作の過程を拝見したいな。
そしてDACの横にある小さな銀色のケースの中は、IV兼HPAだそうで。。。すごく中身が気になりましたが、次の雑誌の記事まで待って下さいとのことでした。

今度は少し毛色の違うブース
JRC(新日本無線)のMUSESシリーズのICのデモです。
HPFES005.jpg
電子ボリュームICのMUSES72320を使ったヘッドホンアンプだそうです。
このICねえ。。。カニもすごく興味を持ってます。
電子ボリュームは利点が多いですからね。ギャングエラーが無いとか、SN確保に有利とか。
で、いろいろお話を伺いたかったんですが、技術系の方はいらっしゃらなかったようで、残念!
あとこのデモ機の構成詳細を聞いてもよく分からなくて、出てくる音のどこにMUSES72320が効いているのか、判断が付きませんでした。
メリ度は2ぐらいだったかな?でも少なくとも音が曇っているような感じはありませんでした。
ん~良さそうだから自作に採用しちゃうか~?

JRCさん、ICのデモなのですから、回路が分かる方がいたほうが有難かったです。。。
もしくは、通常のボリューム(高級アッテネータ?)との比較試聴なんかになってたら、面白かったかも。。。

もうちょい紹介あります!
次はNmodeのアンプ。
HPFES022.jpg
これ、目に止まった中では唯一のデジタルヘッドホンアンプでした。

カニは昔、TA2020のキットの改造に凝ったことがあり、
デジタルアンプってその時のイメージが強いんですが、
ひとまず雑念を排除して聴いてみると。。。
メリ度は0!けっこう分解能もあります!そしてクリア!
しかしニュアンス表現が、今一歩か・・・?まあ、もう少しアッパーなクラスの他製品と比較すればの話ですが。。。
これのハイエンド版なんかを期待したくなる音でした。

このメーカーさんも全然知りませんでしたが、某オーディオメーカーさんの技術者が関わっている会社だそうです。
なんだかいわゆる「黒モグラ」というデジタルアンプを連想させる話でしたねえ。


よし、次で最後です。
今回、一番印象に残ったヘッドホンアンプです!

それは
こちら!
HPFES013.jpg
会社名が隠れててスミマセン。
Rudistorというメーカーさんだそうです。
DAC-X3とRP030という製品かな?

海外のメーカーさんですね。
今回のイベント、海外の方の出店はほとんどありませんでした。
そして、画像に写っている方は英語でしか話せなくて、なんだか会場内でも、このブースは人気が少ない。。。

それとね、イタリアのメーカーさんだそうなんです。
イタリアのオーディオメーカーって、カニはイメージが湧かなかったんです。
ドイツとかなら湧きますよ。デカくて重くてスゲー音が良い、とか。。。
オランダとかデンマークだと美音系、とかね。(たいがい勝手なイメージですが)

ということで、最初は試聴するつもりはなかったんですが、

出品している機器が、ヘッドホンアンプに見えないぐらい、やけにデカくてかっこいい。。。
ん、デカさと音の良さは相関がありそうです。(単純かな?)

それで、拙い英語で試聴を申し込んで、いざ聴いてみると。。。

ああ、すごく気持ちが良い音。。。。
え?
え?
なんだこれ???

この音、当然、メリ度は0です。
かなり解像度もあると思います。
まあ、このあたりは、他の優秀なメーカーさんの機器でも持ってたんですが、、、

なんかね、音が優しくて、ふわっとしてるんです。
暖かいんです。
そして、ちょっとウェットなんです。
こんな言葉が出る機器、初めてです。

いや~これはもっと詳しく試聴したい!と思ったんですが。。。
言葉の壁があり、「もう一回聞かせて!」とは、伝えられませんでした。。。

とりあえずカタコトの英語でやりとりして、なんとか分かったことは、
DACチップはウォルフソンのやつだよ~
回路は全部ディスクリートのA級アンプだよ~
ということ。
どこで買えるの?って聞いたら、
詳しくはWebサイトを見てね~
ということ。

いや、Webで調べたけど、
どこで買えるのか分からないし。。。
えええええ~~~~。。。。
イベントに出店しているのに買えないって、どういうこと???



果たして、カニの聴いた音は、カニの勘違いだったんでしょうか?
どなたかこのメーカーさんの音を聴いたことがある方がいれば、ご連絡頂けないでしょうか。。。。

と、まあ消化不良気味の顛末ではありますが。。。
ああいった、音の色付けの強いメーカーさんって、日本では少ないんじゃないでしょうか?
しかもケバケバしい感じではなくて優しく柔らかな感じの。
(言葉だけを見ると、ラックスマンなんかはそうなのかな?)
少なくとも、カニはあんな音は作れません。製品として魅力があると思います。
こういった、美音追求のメーカーさんもすごくアリです。



いや~締りのない終わり方ですみません。。。
なんだかんだで、昼ご飯を食べるのも忘れて、あっという間に時間が過ぎ、、、
カニなりにとても楽しめたヘッドホン祭りでした~。
試聴レポート、以上で終了です!
スポンサーサイト



試聴レポートありがとうございます。

かにさん、はじめまして。

ヘッドホン祭の試聴レポート、参考になりました。
私は予備知識なしでヘッドホン祭に行ったため、試聴し忘れたり、ブースを通り過ぎて気づかなかった機器が多くあり、残念に思っていたところでした。JH-16+JH-3A、バクーンプロダクツの製品などの感想が参考になりました。

Rudistorですが、Rudistorのホームページから購入できそうですよ。
http://www.rudistor.com/index.htm
http://www.rudistor.com/RPX303.htm
http://www.rudistor.com/X3.htm
Rudistorのブースはスタッフさんが何となく話しかけにくい雰囲気だったので、試聴したいと思ったのですが、尻込みしてしまいました。Rudistorの製品は以前フジヤ-エービックで扱っていたような記憶がありますけど、現在扱っていないみたいですね。

私は、須山さんのMH335DWを特別価格の誘惑に負けて衝動買いしてしまいました。JH-16+JH-3Aも気になります。STAXのSR009でクラシックを聴いた時は幸せな気分でした。欲しいけど、高いですね。

Re: 試聴レポートありがとうございます。

GenmanUさん、初めまして。
ご来訪ありがとうございます!

オタクで読み難いレポートにお付き合い下さり、感謝です。

私もほとんど予備知識なく参加してしまい、特に、メジャーどころをいっぱい取りこぼしてしまいました。
やっぱり注目機種を抑えてから行くべきでしたね。

Rudistorさんの情報ありがとうございます。
う、確かにちゃんと読むと、直接購入できそうではありますが、
Paypalやらなんやらで敷居が高そうですね。。。買うにしてももう一度試聴してからにしたいし。。。

MH335DWおめでとうございます!幸せなイヤホンライフになりそうですね。
カニは何も買えなかった憂さ晴らしに、良質なポータブルDACなど自作してみようかな~と思い始めました(笑)
Secret

プロフィール

カニ

Author:カニ
DACやアンプの自作がメインの、オーディオブログです。
自作基板の頒布も行なっています。カテゴリ「頒布」をご覧下さい。

ニアフィールドリスニングや、ポータブルオーディオにも手を染めたいんですが、いつになることやら。。。

繊細で柔らかい音
実在感のある音
を目指して、
ゆっくり、ゆっくり、潜航中。

カテゴリ

月別アーカイブ

最新コメント

検索フォーム

最新記事

リンク

カウンター