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フィードバック型定電圧回路の制作(3)

前回、フィードバック電源同士の対決で勝利を収めた試作電源。
いよいよこのシリーズの目的である、ノンフィードバック電源との真っ向勝負です!

しかし、その結果は予想外のものでした。。。




まずはPCM1704DACのアナログ段に、試作電源を仕込みます。
PowerSupply108.jpg
前回同様、元のノンフィードバック電源とクリップで切り替えられるようにしました。

フィードバック電源は以前に紹介したこちらの回路です。
定数は、C2&C4=無し、C3=68pF、C5=10uF、C6=4.7uFという構成です。

ノンフィードバック電源は、およそこんな感じです。
「Prost式LED電源」と呼ばれているものに、近いですね。

さて、音の比較の前に、前回の反省を踏まえて
フィードバック電源の出力コンデンサの、必要最小容量を調べましょう。
まずはC5=4.7uF(MKT1813一個)でやってみると、、、
ありゃ、残念。数十mVの発振が残っています。
しょうがないのでMKT1813を二個使い、C5=約10uFとしました。
これで発振が収まりました。

ほぼ、シミュレーション通りの結果になりましたね。
やはり出力コンデンサは10uF以上、位相補償にC3=100pF前後(実際には68pFにしました)が必要なんですね。


さて、準備万端、比較試聴といきましょう!
いつもの曲で次々と聞き比べていきます。

。。。。え、こんなに音が違うの!!


前回、ディスクリート電源VS試作電源でもかなり音が違いました。
今回もおそらく同程度に音が違うんですが、もっとこう、、、異質な感じなんです。

前回は、モヤ付きのあり/無しに違いがあったものの、音のキャラクターは一緒でした。
帯域バランスが変わったり、音の表情が変わったりはしませんでした。

今回は、どちらの電源もモヤ付きは無いんです。
音のキャラクターが全然違うんです。

一言で言うと
「天国の音」のノンフィードバック電源と
「地上の音」のフィードバック電源です。
(全然分からないって??・・・スミマセン。。。)

聴きなれたノンフィードバック電源の音から、フィードバック電源に切り替えると、
まず分かるのは
・音の響きが減り、鋭くなる。
・ダイナミックレンジが広がって、撥音が強くなる。
・低域がわずかに量が出て、よりビシッと締まるようになる。
・中域がハッキリして、わずかに近くなる。
というようなことです。
「よりリアルな音が出る」感じです。
かたや、フィードバック電源からノンフィードバック電源に切り替えると、
・静寂感が増す。
・高域が柔らかく響き、美しい音が出る。
・低域がふわっと軽い音が出る。
・中域も軽くなり、密度感が減る。
・ピアニシモが聞き取り易く、情感が伝わる。
・演奏者の表現したいニュアンスが分かる気がする。
という、「心地良い軽い音が出る」感じです。

ん、特に高域の響き方が違います。
また、静寂感に違いがあるということは、フィードバック電源はノイズが多いのだろうか?という懸念もあります。

そこで次に、フィードバック電源にひとつ改良を加えました。
こちらのD1に並列に、ECHU0.1uFを追加しました。
これはやるべきかずっと悩んでいた改良です。
ノンフィードバック電源には、同様の位置に1uFが入っています。解像感やS/Nに効く、というWEBの書き込みを参考に入れたものです。
フィードバック電源も同様のことができるのですが、ここにコンデンサを入れると
回路動作がわずかに不安定になることを、シミュレーションで確認しており(負荷急変時の電源電圧の収束がわずかに遅れる)、今まであえて入れてなかったんです。
まあしかしモノは試し、0.1uF(ここに100uFとかの大容量はNGだと思います。)を付けてみて、
さらにオシロで発振してないことも確認して、試聴してみると、、、
プラシーボの類かもしれませんが、静寂感は、互角になった気がします。

特に発振もしなかったのでそんなに悪いことはないでしょう。この変更は採用しましょう。


さあ、次にもう一つ、「高域の響き」の違いをよく調べてみます。
響きの多いノンフィードバック電源がリアルなのか、
響きの少ないフィードバック電源がリアルなのか。。。

あらたに二つのソースで聞き比べてみました。
ハービーハンコックのSACDの二曲目と、

Gershwin's WorldGershwin's World
(1998/10/20)
Herbie Hancock

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↓ウェインショーターのライブ盤の一曲目です。

Footprints LiveFootprints Live
(2002/05/21)
Wayne Shorter

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ハービーの曲は音場が不自然ですがシンバルのタッチがよく分かります。
ウェインの曲は、冒頭に鈴の音が倍音たっぷりに鳴り響き、高域と定位のチェックに適しています。

ん、フィードバック電源のほうがリアルですね。
ノンフィードバック電源は、付帯音のような大変繊細で綺麗な響きが付け加わっているようです。
シンバルの細部が拡散気味で、その瞬間、定位も拡散します。
鈴の音も同様です。

これはなんなんでしょうね?
フィードバック電源なら、電源のリンギングで付帯音が付くのは分かるんですが、
逆にノンフィードバック電源のほうでそれを感じます。
。。。こういうことかな?
ノンフィードバック電源自体はリンギング無く素直に電圧が変動するが、電源の変動によって、オペアンプ側でリンギング的な音の拡散が起きている。。。


さて、以上のことをまとめてみましょう。
【ノンフィードバック電源の音】
中低域がふわっと軽く柔らかく、高域は美しい響きが付け加わる。
かといって制動が甘くて気になるほどではない。ほどよい弾力感がある、とも呼べる。
高域も、厳密には分解能は落ちるが、全然気になるレベルではない。
(事実、ノンフィードバック電源のPCM1704のほうが、CAPRICEよりも分解能は高いんです)
その結果、ヴォーカルやサックスの音色も美しく軽やかになり、抒情性が増す。
これらは全然ネガティブな要素ではなくて、天国で音楽を聴いているような心地よい雰囲気が醸し出される。

【フィードバック電源(試作電源)の音】
全帯域が色づけなく出てくる。全域ビシッと制動された音が出てくる。
ピアニシモはピアニシモとして、フォルテはフォルテとして出てきて、音に密度がある。
こちらのほうがリアルな音だと思う。


いやはや。常用していたノンフィードバック電源に、こんな癖があるとは思いもしませんでした。
そして、大変悩ましい結果です。。。

カニの求めている音は、
「繊細で柔らかい音」で、かつ「実在感のある音」なんです。
「繊細で柔らかい音」は、まさしくノンフィードバック電源が持っているものです。
かたや、「実在感のある音」は、フィードバック電源が持っています。
どちらかを選べと言われても、選べません。。。
いや、性能は明らかにフィードバック電源のほうが上なんですが。。。

というわけで、電源対決。
今回は、「引き分け」です。。
交換するほどの優位性を感じなかったので、PCM1704DACはノンフィードバック電源のままとします。
ああ、電源を改良しようと思って頑張ってきたのに、引き分けかあ。。。


あ、でも、結果は無駄にはなりません。
PCM1704DACはひとまずノンフィードバック電源のままとして、
LH0032アンプにフィードバック電源を使ってみようと思います。
LH0032アンプが、過度に柔らかい音を出すことが分かってますから、
きっと、フィードバック電源を使うことで、素晴らしい音になるに違いないです。














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Re: フィードバック電源について

妹尾さん

貴重な情報どうもありがとうございます。
なるほど、位相補償Cの容量が音質に関係するかもしれないのですね、
時間ができましたら、シミュレーションを行った上で試聴してみたいと思います。
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プロフィール

カニ

Author:カニ
DACやアンプの自作がメインの、オーディオブログです。
自作基板の頒布も行なっています。カテゴリ「頒布」をご覧下さい。

ニアフィールドリスニングや、ポータブルオーディオにも手を染めたいんですが、いつになることやら。。。

繊細で柔らかい音
実在感のある音
を目指して、
ゆっくり、ゆっくり、潜航中。

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