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終段無帰還アンプの制作(4)

先日完成した無帰還アンプ。
今日は実験や検討をいろいろ進めていました。

まず、アンプのエージング後の音をじっくり聞いてみました。

無帰還の特徴?である「生っぽい音がする」に加えて、
SATRIアンプでは気になった硬質さが一切無く、大変ナチュラルです。

ただ、少々音の角が丸い気がします。
これはオペアンプ(LME49990)の音が出ているのかもしれません。
電源が藤原さんのディスクリート電源で、先日の確認からすると音がモヤつくらしいのでそのせいかもしれません。

もう一つ、これは今回のアンプでもSATRIアンプでも感じることですが
音が落ち着いて、音が少なくなったような印象を受けます。
これは、一番気になる欠点だと思います。

総合的に見て、帰還アンプよりも無帰還アンプのほうが優れているとカニは思いますが
気になる点を改良して、より完全無欠なものに仕上げたいですね。



さて、今回実験したのは以下の三つのことです。

①電源電圧を18V⇒15Vに下げる。
②信号系オペアンプをLME49990からLH0032・THS4631に交換
③ソース抵抗(0.1Ω)を小さくする。

結果を一つずつ見ていきましょう。
①電源電圧18V⇒15V
これは②の前準備として行いました。LH0032とかTHS4631は耐圧30Vですからね。
で、やってみると、音が元気無くなったような、ボリュームを一段絞ったような印象を受けます。
中音域の張り出しが減退しているのかな?
最終的には、オペアンプによるドライブ段のみ15Vにして、FET駆動電圧は20Vとか高くしたほうが良さそうですね。

②オペアンプを交換
先日の回路図のU1/U2(FETドライバ)をTHS4631に
回路図にはない前段の5倍ゲインバッファをLH0032に交換しました。
やはり効果があります。細部のニュアンスが伝わるようになりました。
ただ、期待していたほど音は変わらなくて、たぶんどこか別のところにボトルネックがあって
変化が分かりにくいんではないでしょうか?

ちなみにTHS4631はボルテージフォロアとして使っていますが発振はありません。
LH0032は位相補償C68pFを付けてますが、なぜか左chだけ高周波で発振していました。
(実験なので気にせず試聴しましたが。。。)

③ソース抵抗を変更
ソース抵抗とは回路図のR6・R7のことです。
一般にはなんて呼ぶのかな?エミッタ抵抗などとも言われるみたいですね。
「ここの抵抗値は小さければ小さいほど良い。できれば無くしたほうが良い。」とも言われています。
とりあえず、今繋がっているMPC74をパラレルに接続して、合計0.05Ωとして聴いてみました。
当然、バイアス設定は再調整が必要です。
NonNFB007.jpg
(実験の様子)

で、聴いてみるとこれが大変効きます。
情報量が増えるからかな?音に躍動感が出てきて、より「生っぽく」聴こえます。
無帰還アンプの欠点である「音が大人しく、少ない」が、緩和される感じです。
もしかしてソース抵抗のせいで音が大人しくなっているんでしょうか?

ただ、やはり0.05Ωとなると電気的にシビアな部分が出てきますね。
バイアス設定を300mAに合わせ直すのに可変抵抗を調整するんですが、かなり敏感になり、怖いです。


というわけで、実験では③②①の順に効果がありました。


よし、改良に必要なポイントが、固まってきました。
カニが改良したいのは
A.ドライバ段:15V/FET:18V で電源分離し、オペアンプをTHS4631にする。
B.ソース抵抗を完全に削除する。
C.カップリングコンデンサの排除。
D.信号が通過するオペアンプの段数削減。
E.サーボ電位の更なる安定化。
です。

ABは実験結果により、採用です。
CDEは実験していませんが、回路的に気になるところなのでやってみましょう。
Cのカップリングコンデンサですが、フィルムコンデンサならば音の劣化は少ないと思いますが
やはりピュアオーディオ的には無いほうが安心できます。
Dについては、現状の回路だとゲインバッファとFETドライバの二段になっていますが、
それを一段にまとめてしまいたいんです。
Eはなんのことかというと、回路上のR8・R10(2.2MΩ)部にフィルターを付け加えて、サーボ回路と合わせて二次のLPFにしてより低ノイズ、低変動なサーボにしよう、という目論見です。


かなりな大変更で、こんなことできるのか・・・とも思いましたが、
考えた挙句、どうにか成り立ちそうな気がしてきました。

まずはCDEについてですが
こんな回路だったら実現できそうです。
NonNFB005.gif
FET駆動用のオペアンプU1・U2にゲインを持たせることでゲインバッファが不要になり、更に加算回路として使うことでカップリングコンデンサが排除できます。
この定数設定だとゲイン3.5倍程度です。
あと、C1~C4により、サーボ段が二次のLPFを構成しています。

オペアンプを使うメリットが最大限生かされた、良い回路だと思いますが、いかがでしょう?
ただし、背反もいくつか出てきます。
・U1・U2のゲイン誤差が終段のバイアス電圧変動を引き起こし、歪みが悪化する。
 それを避けるには、ゲイン設定用の抵抗(R2・8~10・3・11~13)はなるべく高精度なものでなければならない。
 たぶん、0.1%以下(できれば0.05%以下)が良い。
・入力インピーダンスが750Ω程度になるので、上流の機器はそれなりに駆動力が必要。


それから、Bについてですが
ソース抵抗を削除するとバイアスサーボが機能しません。
そこで、抵抗を電源側に移すことにしました。
こんな感じです。
NonNFB006.gif
電源回路は先日検討したオリジナル回路になっています。
R6がバイアス検出抵抗で、保護回路用の電流検出も兼ねています。
検出した電圧をOPA604でGND基準の電圧に変換しています。
OPA出力をバイアスサーボ回路に接続してあげます。

ただし悩んでいる部分もあり、
・電源側で電流検出しようとすると、高耐圧のオペアンプでGND変換してあげないといけない。
 例えば電源一次平滑側の電圧が±25Vだと、OPA604は耐圧44Vなのでそのままでは使えません。
 負側の電源をレギュレータ下流の15Vから取ってあげればなんとかなります。
・オペアンプによる差動増幅でGND変換しますが、抵抗R10~R13の精度にシビアで
 0.1%精度抵抗を使っても、最悪1割程度の誤差が出ますし、更に温度ドリフトまで考えると数割は誤差が出る計算です。
 対策としては
 ・ネットワーク抵抗などの相対誤差が少ない抵抗を使う
 ・電流検出用のアンプ(LT1787など)を使用する
 で、ちょっと決めかねています。


以上の改良を加えた回路をPCBに起こしてみましょう。
とても音が良さそうで、多数の方に聴いて頂きたいので頒布も考えましょう。
ただここでも問題があり、カニは今までEAGLEのLE版を使ってCADっていたのですが、
今回の回路規模だと、基板が大きくてEAGLEの基板サイズ制限に引っかかってしまうんですね。
かわりにDesignSparkPCBを導入したんですが、慣れるのに手間取ってまして。。。

基板化できるのはいつになることやら。。。
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プロフィール

カニ

Author:カニ
DACやアンプの自作がメインの、オーディオブログです。
自作基板の頒布も行なっています。カテゴリ「頒布」をご覧下さい。

ニアフィールドリスニングや、ポータブルオーディオにも手を染めたいんですが、いつになることやら。。。

繊細で柔らかい音
実在感のある音
を目指して、
ゆっくり、ゆっくり、潜航中。

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