2021.02.21
低域MFB 電流駆動型パワーアンプ V2の製作(2)
ポータブルDAC開発にせわしない今日この頃ですが、
こちらのプロジェクトも、基板が既に届いていました。
息抜きに組み立ててみて、音を出しました。
Alpair10Pが、朗々と歌っています。
が、ちょっとこだわり始めてしまいました。
さて、基板はこんな感じ。
89mm×107mmの中にレギュレータ(前段・終段独立)も入っています。

で、組み上げた姿がこちら。



小さい基板の割にトランジスタ数が多いので、思いのほか作成に時間がかかります。。。
今回の基板は二か所ジャンパーが必要です。
一か所目は、R206。これを-V(Q210のエミッタ等)に繋いで下さい。

ええ、パターンを引き忘れました^^; V1.1基板では修正します。
二か所目、JP1とJP2を繋いで下さい。これは意図してこうなっています。
二層基板の制約上、パターンをどうしても作れなかった箇所です。

回路図はこちら。
その他、参考になる記事はこのあたりです。(ただし、回路が若干変わっていますので回路の話は参考にしないでください。)
回路上の注意点を記載します。
・本回路はフルレンジなどの、パッシブネットワークが入っていないスピーカーを想定したものです。
ネットワーク付きのスピーカーの場合の出音や回路安定性は確認していません。
・このアンプは反転アンプです。GNDをスピーカーの+側に、アンプ出力をスピーカーの-側に繋いで下さい。
・どの基板でもそうですが、まずは電源レギュレータ回路を作成して、狙った電源電圧が出ていることを確認して下さい。
その後にアンプ回路を組んで下さい。
・電源回路のLEDですが、Vrefの合計が15~25V前後になるように直列に繋いで下さい。(パターン上はLEDが二個直列で描かれていますが、二個だと全然足りません。すみません。)
Vref合計+0.6Vが出力電圧となります。
カニはツェナーダイオード(OnSemiの1SMBシリーズ)を 10V + 12V等の直列で使用しています。
・R2~R9・R26・R27が、アンプ出力の歪率に密接に関わっています。0.1%品などの高精度抵抗を選定して下さい。
R6・R9は抵抗値が低いので0.1%品が市場に無いと思います。カニはOhmite 43FR50E 1%品を使いました。
・回路動作を確認した後は、まずはMFB無しの状態にしてスピーカーに繋いで、200Hz~400HzのSin波を出して下さい。
この時のR14~R15間の電圧を確認して下さい。
ここに発生する交流電圧がほぼゼロになるように、R14とR15の比を決めます。
ここはスピーカー毎に最適値が変わります。
・R13の抵抗値によって、この電流駆動アンプの電圧~電流変換比が決まります。
例えばデフォルトの回路図の場合、R13=470Ωです。
入力電圧が1Vの場合、1V÷470Ω= 2.13mAが入力電流として発生します。
これを100倍した値213mAが出力電流となります。
ここに8Ωスピーカーを接続した場合、8Ω×213mA=1.7Vが出力電圧となります。(実際には周波数によりスピーカーのインピーダンスが変わりますので、周波数により出力電圧も変わります。)
・R20がMFBゲインを決める抵抗です。抵抗値を小さくすればゲイン大、大きくすればゲイン小です。
抵抗値を変えた場合、R20と共にHPFを形成しているC6・C7の容量も変えて下さい。例えばR20を二倍にしたら、C6+C7の容量を半分にしてみて下さい。
カニのお勧めは、ウーファーを駆動させる場合は100~200Ω、フルレンジを駆動させる場合は330~750Ωです。
・オペアンプU1は音に影響します。高耐圧高音質なものを選定下さい。
カニは、Bathyscapheを使用しています。
オペアンプU2はDCオフセットサーボです。オフセット電圧が気にならなければ無くても良いでしょう。
・CR類はお好みのものををご使用下さい。カニの場合は、RはVishay SMM 0204 を、CはPML CAPやECHU・セラコン等を使用しています。Cは2012サイズでないと付かない箇所があります。
こんなところでしょうか。
今回の回路はZobelフィルタを各所に設置しています。
そのおかげか、特に発振も無く、簡単に動作確認が終わりました。

今回から、バイアス電流が終段トランジスタの温特の影響を受けないように変わっています。
ですので、終段トランジスタに対しての温度補償などは不要です。
バイアスは概ね280~300mAで安定しています。
Q1が生成するバイアス電流の概ね100倍が終段のバイアス電流になります。
音の印象としては、今まで聞いていた電流駆動アンプと同傾向です。
付帯音が取れたような、鋭いすっきりとした音が基調にあります。
それを、MFBによる透明感のある低域が下支えしています。

MFBですが、オペアンプを外せば簡単にキャンセルできます。
カニはMFB無しの音も結構好きです。
低域のFo付近がブーミーでボワついてしまうのですが、中高域は、より開放的で楽しい鳴り方になります。
で、チャンデバ等を介してウーファーを駆動するならば、これで完成です。
フルレンジを駆動するのに、ちょっと、悩み中。
ゲインを上げ過ぎると中域が曇ってきます。ゲインを下げると低域のボワつきが取り切れません。
何故中域が曇るかというと、C3/C4でMFBにLPFを入れているからです。
もう少し、C3/C4周りを追い込みたいです。。
次回に続きます。
こちらのプロジェクトも、基板が既に届いていました。
息抜きに組み立ててみて、音を出しました。
Alpair10Pが、朗々と歌っています。
が、ちょっとこだわり始めてしまいました。
さて、基板はこんな感じ。
89mm×107mmの中にレギュレータ(前段・終段独立)も入っています。

で、組み上げた姿がこちら。



小さい基板の割にトランジスタ数が多いので、思いのほか作成に時間がかかります。。。
今回の基板は二か所ジャンパーが必要です。
一か所目は、R206。これを-V(Q210のエミッタ等)に繋いで下さい。

ええ、パターンを引き忘れました^^; V1.1基板では修正します。
二か所目、JP1とJP2を繋いで下さい。これは意図してこうなっています。
二層基板の制約上、パターンをどうしても作れなかった箇所です。

回路図はこちら。
その他、参考になる記事はこのあたりです。(ただし、回路が若干変わっていますので回路の話は参考にしないでください。)
回路上の注意点を記載します。
・本回路はフルレンジなどの、パッシブネットワークが入っていないスピーカーを想定したものです。
ネットワーク付きのスピーカーの場合の出音や回路安定性は確認していません。
・このアンプは反転アンプです。GNDをスピーカーの+側に、アンプ出力をスピーカーの-側に繋いで下さい。
・どの基板でもそうですが、まずは電源レギュレータ回路を作成して、狙った電源電圧が出ていることを確認して下さい。
その後にアンプ回路を組んで下さい。
・電源回路のLEDですが、Vrefの合計が15~25V前後になるように直列に繋いで下さい。(パターン上はLEDが二個直列で描かれていますが、二個だと全然足りません。すみません。)
Vref合計+0.6Vが出力電圧となります。
カニはツェナーダイオード(OnSemiの1SMBシリーズ)を 10V + 12V等の直列で使用しています。
・R2~R9・R26・R27が、アンプ出力の歪率に密接に関わっています。0.1%品などの高精度抵抗を選定して下さい。
R6・R9は抵抗値が低いので0.1%品が市場に無いと思います。カニはOhmite 43FR50E 1%品を使いました。
・回路動作を確認した後は、まずはMFB無しの状態にしてスピーカーに繋いで、200Hz~400HzのSin波を出して下さい。
この時のR14~R15間の電圧を確認して下さい。
ここに発生する交流電圧がほぼゼロになるように、R14とR15の比を決めます。
ここはスピーカー毎に最適値が変わります。
・R13の抵抗値によって、この電流駆動アンプの電圧~電流変換比が決まります。
例えばデフォルトの回路図の場合、R13=470Ωです。
入力電圧が1Vの場合、1V÷470Ω= 2.13mAが入力電流として発生します。
これを100倍した値213mAが出力電流となります。
ここに8Ωスピーカーを接続した場合、8Ω×213mA=1.7Vが出力電圧となります。(実際には周波数によりスピーカーのインピーダンスが変わりますので、周波数により出力電圧も変わります。)
・R20がMFBゲインを決める抵抗です。抵抗値を小さくすればゲイン大、大きくすればゲイン小です。
抵抗値を変えた場合、R20と共にHPFを形成しているC6・C7の容量も変えて下さい。例えばR20を二倍にしたら、C6+C7の容量を半分にしてみて下さい。
カニのお勧めは、ウーファーを駆動させる場合は100~200Ω、フルレンジを駆動させる場合は330~750Ωです。
・オペアンプU1は音に影響します。高耐圧高音質なものを選定下さい。
カニは、Bathyscapheを使用しています。
オペアンプU2はDCオフセットサーボです。オフセット電圧が気にならなければ無くても良いでしょう。
・CR類はお好みのものををご使用下さい。カニの場合は、RはVishay SMM 0204 を、CはPML CAPやECHU・セラコン等を使用しています。Cは2012サイズでないと付かない箇所があります。
こんなところでしょうか。
今回の回路はZobelフィルタを各所に設置しています。
そのおかげか、特に発振も無く、簡単に動作確認が終わりました。

今回から、バイアス電流が終段トランジスタの温特の影響を受けないように変わっています。
ですので、終段トランジスタに対しての温度補償などは不要です。
バイアスは概ね280~300mAで安定しています。
Q1が生成するバイアス電流の概ね100倍が終段のバイアス電流になります。
音の印象としては、今まで聞いていた電流駆動アンプと同傾向です。
付帯音が取れたような、鋭いすっきりとした音が基調にあります。
それを、MFBによる透明感のある低域が下支えしています。

MFBですが、オペアンプを外せば簡単にキャンセルできます。
カニはMFB無しの音も結構好きです。
低域のFo付近がブーミーでボワついてしまうのですが、中高域は、より開放的で楽しい鳴り方になります。
で、チャンデバ等を介してウーファーを駆動するならば、これで完成です。
フルレンジを駆動するのに、ちょっと、悩み中。
ゲインを上げ過ぎると中域が曇ってきます。ゲインを下げると低域のボワつきが取り切れません。
何故中域が曇るかというと、C3/C4でMFBにLPFを入れているからです。
もう少し、C3/C4周りを追い込みたいです。。
次回に続きます。
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