FC2ブログ

SATRI SCA-7511Mk3パワーアンプの試聴(1)

カニがオーディオ自作を始めて10年ほど経ちますが、
その間、メーカー製のアンプは一台も家にありませんでした。
しかし、自己満足に陥ってしまいがちな自作の世界ですから、
音のリファレンスとして使えるメーカー製のアンプで
かつコストパフォーマンスの良いものが、欲しくなりました。

例えば、家電メーカーのアンプはコストパフォーマンスが悪そうで、敬遠してしまいます。
それで思い浮かんだのが、「SATRIアンプ」です。

早速、試聴屋さんのデモ機をお借りして、試聴してみることにしました。




試聴のご相談をしたところ、その翌日には我が家にSCA-7511Mk3がやってきました。
試聴屋さんは、いつもスピーディな対応をして下さいます。ありがたいですね。

SATRI-2.jpg
さて、届いたSCA-7511Mkk3ですが、第一印象は
「軽いアンプだなあ。。。」
でした。
このアンプ、重量は3kgも無いそうです。
しかし、これでも(失礼?)上位モデルで採用されているSATRI回路V5.2、11.4、V9.1が搭載され、
出力段はトリプル・プッシュプルで駆動されているそうです。
見た目であなどってはいけません。

期待を胸に、電源を投入すると、


。。
。。。。音が、出ません。

あれ~?



な~んて、冗談です。
このアンプ、バイアスの整定に時間が必要で、電源ONから5分程度はまともに音が出ないそうです。
事前に教わってはいましたが、実際に音が出ないと、少しびっくりしますね。
でも、音楽を味わうための事前儀式のようで、なかなか面白いものです。

お借りしたアンプはデモ機とのことで、エージングは十分に済んでいることでしょう。
SATRI-IC-EX、AR-23アッテネータ(抵抗:タクマンREY)仕様だとのことです。
電源ケーブルは、付属の灰色のものではなく、手持ちのラックスマンJPA-15000を使いました。


電源ON後、30分ほどしてから試聴開始です。
音出し直後の第一印象は、
「音楽の抑揚が表現されるアンプだな」
でした。
うまく言い表せないんですが、音に抑揚としか言えない強弱があり、サックスの音に情感が感じられます。
音の強弱とは、ダイナミックレンジとは違うものですが、。。。う~ん分析できない。

それから、音が硬質で、音像に輪郭が感じられます。実体感とも言えます。

不思議な音の出方です。。。

音場の広がりや分解能は高い水準にあると思います。電流帰還アンプと同じレベルかな?
ただ、LH0032アンプに慣れているカニとしては、いくつかの音が消えてしまい、あっさりめに聞こえます。
硬質で、かつ邪魔な音が消えているので、メインの楽器に耳が集中でき、それが「抑揚」を感じさせるのかもしれませんね。


さて、長くなって申し訳ないですが、実は本題はここからです。

第一印象はなかなか良かったものの、
正直に書くと「LH0032アンプにはない魅力がいくつかあるものの、総じて物足りない音だな」でした。

ここで、ひとつ変更を加えました。
SATRI-3.jpg
Z-LINKというケーブルを試聴屋さんが同梱して下さったので、そちらに差し替えました。
今までは、アンプの電圧入力を使用していたのですが、電流入力を使用可能にするケーブルだそうです。
SATRIアンプは、電圧入力の場合は内部でV/I変換とI/V変換を行っており、
電流入力であれば、そのうちのV/I変換をスキップできるそうです。

この状態で、「In Flux/Ravi Coltrane」の一曲目を聴きました。

In FluxIn Flux
(2005/02)
Ravi Coltrane

商品詳細を見る


音が出た瞬間、鳥肌が立ちました。
何という美しいピアノ!
色彩感あふれるとても鮮やかなピアノで、電圧入力で聴いていた音がモノクロームに感じます。
原音とは違う気がしますが、とにかく美しいんです。

続いて出てくるサックスの音色も、繊細で情感に溢れています。
硬質な感じから、一転、柔らかく美麗な音色です。

電圧入力と、電流入力で、こんなにも音が違うとは!
一曲まるまる聞き惚れてしまいました。

で、焦っていろいろなCDを聴いてみたのですが、
あれ?他のCDではあまり良く聴こえません。
ボーカルものでは、実在感はあるものの、美しい声ではなく遠く寂しげな声に聞こえますし、
オケもスケール感が今ひとつで、金管楽器の音色も色づけされた硬い感じです。

それで、再度「In Flux」を聴くと、やっぱり美しい。。。。
訳が分かりません。。。

何度か聞き比べてみると、どのソースでも、カニのシステムでは電圧入力と電流入力には雲泥の差があります。
電圧入力はより音が硬く、情報量に乏しいです。
(電流入力でもまだ音は硬いですが、さっき、音が柔らかく聞こえたのは、電圧入力に耳が慣れていたからでしょう。)
電圧入力は、無帰還バッファと抵抗でV/I変換を行っているんでしょうが、恐らくここで音が変化してしまうんでしょうね。
電流入力の場合、LH0032出力で直に電流変換されますから、LH0032の良さがそのままSATRIアンプに伝わるんでしょう。

(電流入力の場合、上流のDACからSATRIアンプへ電流が注入されるはずで、DACとの相性がありそうですが、
電流量は恐らく数mAレベルでしょうから、たいていの機器では良い方向に変化しそうですね。)

冷静になって、電流入力とLH0032アンプを聞き比べてみました。


LH0032アンプ:音場が広大、音が部屋いっぱいに広がる。全ての音が剥き出しになる感じ。
       最初から最後まで音のエネルギーが全開で、抑揚には欠ける。情感表現が今一歩かも。
       音は軽く柔らかくて、抽象的とでも言うようなカニの好みの音がする。

SATRIアンプの電流入力:音場は広いがLH0032ほどではない。
       細かな音が消えて、残った音が凝縮して出てくる感じ。音楽に抑揚を感じる。
       低音はLH0032アンプよりしっかりしている。全体的に硬質感がある。
       硬質感は、たいての楽器では実在感に繋がって心地よい。
       しかし、ブラスと弦楽器(特にブラス)の音は、硬くて生音っぽくない。
       一部のCDのピアノの音が異様に美しい。


不思議なアンプです。
なんでこんな音になるんでしょう。
リファレンスとなる音が欲しかったのですが、そんなことはもうどうでもよくなってきました(笑)
こいつは物欲を刺激するアンプです。


使ってみて一番気になったのが、金管楽器の音色です。
そういえば、試聴屋さんが「SATRIアンプと一番相性が良いのはホーンスピーカーです」と仰ってましたが、
普通、ホーンって金管楽器が得意ですよね。もしかして金管が得意なホーンと金管に色づけのあるSATRIがよくマッチするんでしょうか。
それが普通のスピーカーとSATRIでは、あまりマッチしないんでしょうか。

。。。試してみたいことを、たくさん、思いついてしまいました。
お借りしている間に、頑張らなければ!


スポンサーサイト



tag : SATRI パワーアンプ レビュー 比較

Secret

プロフィール

カニ

Author:カニ
DACやアンプの自作がメインの、オーディオブログです。
自作基板の頒布も行なっています。カテゴリ「頒布」をご覧下さい。

ニアフィールドリスニングや、ポータブルオーディオにも手を染めたいんですが、いつになることやら。。。

繊細で柔らかい音
実在感のある音
を目指して、
ゆっくり、ゆっくり、潜航中。

カテゴリ

月別アーカイブ

最新コメント

検索フォーム

最新記事

リンク

カウンター