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AC電源を改良してみる(2)

今回はいろんな改良案の音を、実際に聴いてみた話です。

最終的な改良案は、さすがに電池の見通しの良さには及びませんでしたが、
一定の効果があり、自分的にはかなり満足な結果が得られました。

※7/22レンタルについて追記



今回やってみたことは、大きく四つです。
①無帰還電源の採用
②二段レギュレータ化
③超高速プッシュプルレギュレータ
④出力にCRフィルタ追加
それぞれの音を聴いてみました。


①無帰還電源の採用
最近、カニはもっぱら帰還電源ばかり使ってますが、
初心に立ち返って、無帰還電源を評価してみることにしました。

画像の基板のうち、左側が無帰還電源、右側が帰還電源です。
NonNFB_004.jpg
二つの電源の構成部品の差ですが、音に効きそうなものとして
終段TR・・・無帰還:2SC5171/帰還:2SK2013
LED部のノイズ除去コンデンサ・・・無帰還;マルコンのローノイズ積セラ1uF/帰還;ECHU0.1uF
の二箇所があります。

無帰還電源ですが、カニが今まで作っていたのは出力TRが一段のタイプが多かったんですが、
今回は二段のタイプにしてみました。

さて、この二つと、電池式の音を比べてみると、、、


電池式:見通しが良い。瑞々しい。分解能はそこそこ。全体的にメリハリのある音。高域が少々キツい。

帰還電源:電池式に比べて上と下が伸びる。分解能は三つの中で最良。
     しかし見通しが電池式ほど良くない。

無帰還電源:音の粒が最も小さい。そして全体的に自然な印象を受ける。
      しかし音に付帯音があり、音の粒が小さい割には分解能は帰還電源ほど良くない。
      でもこの付帯音はネガティブな聞こえ方はせず、自然な感じ。
      見通しについては、電池には及ばないが帰還電源よりは少し良いように感じる。

こんな感じです。
なんか、三者の音の変化が、デジタル系じゃなくてアナログ系の電源を変えた時の傾向に似てます。

無帰還電源、かなりやりますね。
音の粒が小さいのは、2SC5171が効いている気がします。これは「カミソリのような音」と巷で言われているTRですよね。

無帰還電源のほうが帰還電源よりも、少し見通しが良く感じました。
ううむ。。。やっぱり無帰還のほうがローノイズなんでしょうか。。。

とにかく、無帰還でも帰還でも、まだ電池の良さには及ばない感じ。
次の改良に移りましょう。


②二段レギュレータ化
これはどんなものか、というと、、、
無帰還レギュレータで12V程度の出力を生成し(一段目)、
それを更にレギュレータで5Vに落とす(二段目)、というもの。

前回の画像にちょこっと見えてますが、、、
NonNFB_005.jpg
電源トランスに、少し出力電圧の高め(一次115V/二次12V)のものを選択して、
一段目(電源基板の左半分)の無帰還レギュレータで12Vを生成しています。
それを二段目(電源基板の右半分)の入力に接続して、無帰還電源の5V/帰還電源の5Vの二系統を出力させています。

これの目的は、電源の入力電圧の安定化です。
ノイズ低減にはあまり効かない気もしますが、とにかく音を聴いてみると。。。

二段式帰還電源:音の粒が、無帰還電源並みに小さくなり自然な感じになる。
        見通しも少し良くなった。


二段式無帰還電源:一段の時よりも更に音の粒が小さくなる。小さいというより尖っている感じ?
         付帯音は多少残っているが、分解能が上がっているのかあまり気にならない。
         そして見通しが少し良くなった。
         付帯音の癖を除けばかなり電池式に近い音で、かつ電池式よりも細部がよく見える。


む~ん。
なかなか良いんではないでしょうか^^
なんか、一段目の電源の音と二段目の電源の音が、良いとこ取りされているような気がします。
これを聞いてしまうと、一段式の電源が「ヌルい」と感じてしまいます。

ちなみにSNをオシロで確認してみましたが、一段の時と大差ないなという感じ。
(というか、前回の記事にも追記しましたが、カニのオシロではSNが確認できていないのかも。。。)


③超高速プッシュプルレギュレータ
これは書き始めると長いんですが、、、

見通しの良さ、悪さって、もしかして「電源の、電流の出力能力ではなくて、吸い込み能力の差」が効いているんじゃないか、と思ったのが、製作のきっかけです。

AC電源って、基本的には電流を出すことはできても吸い込むことができませんよね?
それで、負荷側にL成分があった場合、電源側で電流を吸い込むことができないとレギュレーションが悪くなりそうです。

この問題は、プッシュプル方式のレギュレータならば解決できます。
試しにカニ式電源をベースにプッシュプル化してみると、こんな感じ。
PushPull101.gif

シミュレーション上の応答は、通常のカニ式より少々安定性に欠けるかな。。。
PushPull102.gif
(赤と緑の信号は、上記回路図の赤と緑のポインタに対応しています。)

しかも、回路がいかにも後付けチックで美しくない。。。

それでは、と思い、プッシュプル前提の回路を考え直しました。
こんな感じ。
PushPull103.gif
分かる方は分かると思いますが、これ、まんま電流帰還アンプです。

シミュレーション上の応答は、、、
PushPull104.gif

位相補償Cがほとんど無いのに、めっちゃ安定してる!
電流帰還型の高速な特性とあいまって、これはたぶん、周波数特性がMHz帯まで伸びてると思います!

ボーデ線図も書いてみたいな!でもシミュレータの使い方がよく分からなかったりします^^;

で、実際にこの回路を作ってみたのがこちら。
PushPull105.jpg
昔、個人的に電流帰還アンプを基板化したものがあり、それを活用してみました。
更に二段レギュレータ式としました。

で、音は、、、今までの電源とはかなり違います。
音が凝縮されてぎっしり出てくる感じ。
分解能は最も高いです。ただ、刺々しいわけではなく、端正な感じで耳を刺しません。
見通しは無帰還電源と同等か、わずかに劣るかも。音がぎっしり出てるせいで見通しが劣るように聞こえる感じもあります。

この音、聞いたことあるな、、、
まんま、ディスクリート電流帰還アンプの音って感じです。
荒っぽいところが無いので、物足りないと思う方もいるかもしれませんが、この音、カニは好きです。


二段レギュレータで見通しが改善し、更にプッシュプルレギュレータ化により、音の細かさが電池式を圧倒しています。
トータルの音では、電池式を超える、とは言いませんが、これはもう、同じレベルとして良いのでは?


まあプッシュプルレギュレータは実用上の問題がいろいろあるんですけどね。。。
電源を使う側の消費電流に応じて、バイアス電流を個別に設定しないといけなかったり、
常にバイアス電流分の電流を消費してしまったり、、、
たいへんエコでない、面倒くさい電源です。

二段レギュレータ、というのも、少々面倒くさいですよね。
この位の対策をやらないと、電池式に並ばないのか~と思いました。


④出力にCRフィルタ追加
見通しの良さがノイズと相関があるんだったら、
AC電源の出力にフィルタをかけちゃって、ノイズを減らそうかな?という対策案です。
③の電源の出力に0.22Ωを直列に挿入し、その下流に1500uFを突っ込んでみました。

で、音は、、、
これは失敗でした。
見通しは、あんまり変わった感じがありません。
そして、プッシュプルレギュレータの分解能がスポイルされて音の粒が大きくなる感じがあります。
あんまし良くないですね。


試したのはここまでです。
今のところカニが一番良いと思ったのは、「二段式プッシュプルレギュレータ」の音です。
まあでもあらためて聴いてみると、それぞれの音の差は小さいですし、聴く人の好みにも左右されそう。


と、ここまで記事を読まれた方にお知らせです!
SDTransの音、それから各種電源の音を聴いてみませんか?
こういった、世に知られた基準となる機器の音を知ることは、
自分のオーディオシステムのレベルを知る上で良い機会になると思います。

SDTrans+今回試した電源一式をケーシングした後で、皆様に一人あたり1~2週間ほどレンタルいたします。
対象の方は、身元のはっきりされている方。
具体的には、過去にカニの基板をご購入いただいた方です。

レンタル料は頂きませんが、送料を、行きと帰りの両方ご負担下さい。
仕事の都合で長期で連絡が取れなくなる可能性のある方は、ご遠慮下さい。

複数の方のご応募がある場合は、先着順とさせて頂きたいです。
あんまり希望者が多い場合は、人数制限させていただく可能性があります。
その他詳細はメールで調整させて下さい。

というわけで、レンタルご希望の方はtriesteaudioあっとgmail.comまでご連絡下さい。

7/22追記
ケーシングを済ませました。
Rental.jpg
既存のケースの流用なんで、いろんなところが穴だらけです。。。
SDTransの出力は、S/PDIF同軸(RCA)、I2S/DSD(HDMI端子)、I2S/DSD(1×8ピン)となっています。
詳細記載の説明書を同梱します。

発送時にはケースの蓋を閉めていますが、使用時には画像のように、ケースの蓋を空けて基板上のプッシュSWを使って操作して下さい。

電源は、AC電源三種類(二段無帰還、二段帰還、二段電流帰還)と、電池電源の計四種類となっています。

SDカードはカニのものを添付します。適当にデータを入れていただいて構いません。
ご自身でSDカードをご用意いただいても、もちろん良いです。


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No title

カニさん、はじめまして
いつも楽しく拝見しています。

ちょうど電源回路を改良しようと思っていたのでためになります。
因みに現状CRフィルタ→78xx→CRフィルタです。特に電流帰還はよさそうですね。発振が怖くてディスクリ避けてきたので朗報です。

AC電源のノイズですが、もしかしたらコモンモードによるものではないでしょうか?

Re: No title

エリーさん、はじめまして。
ご来訪ありがとうございます!

電源は本当に奥が深いですね。
しかも、こだわればこだわるだけ良くなるみたいなので、手抜きができません。

> 因みに現状CRフィルタ→78xx→CRフィルタです。特に電流帰還はよさそうですね。発振が怖くてディスクリ避けてきたので朗報です。
三端子+フィルターは、昔から音が良いと言われているみたいですね。
でも、ディスクリにした途端にレベルが変わるんじゃないかと思いますよ。
発振ですが、どのタイプの回路でも、適切な位相補償Cが付いていて出力Cに100uF以上あれば、大丈夫なんではないかと思ってます。
まあでも出力Cの品種によっては発振する、という話もあるようで、なかなか難しい所ですね。


> AC電源のノイズですが、もしかしたらコモンモードによるものではないでしょうか?
う~んそうかも。。。オシロと被測定側のアーシングをしっかりやると、ノイズが軽減する感じです。
やはりマニアの方だとGND処理もきっちりやられているんでしょうか?
私は結構、適当です^^;




No title

こんにちわカニさん
2段レギュレータ良かったですか~
部品揃ったので試してみますね(^^

Re: No title

おによめさん、こんばんは。
ご来訪ありがとうございます。
ご覧頂いてたんですね!

二段レギュレータはおによめさんのアイデアを真似させて頂きました^^
常用したくなる位に音が良いですね。
一段目の素子で音がコロコロ変わるかもしれないので、そこが注意点でしょうか。

電流帰還タイプも凄いですよ。作るのが面倒臭いですが、宜しければお試し下さい。
Secret

プロフィール

Author:カニ
DACやアンプの自作がメインの、オーディオブログです。
自作基板の頒布も行なっています。カテゴリ「頒布」をご覧下さい。

ニアフィールドリスニングや、ポータブルオーディオにも手を染めたいんですが、いつになることやら。。。

繊細で柔らかい音
実在感のある音
を目指して、
ゆっくり、ゆっくり、潜航中。

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